フロントエンド・PHPカンファレンス北海道2026参加レポート
はじめに
2026/06/06(土)、札幌コンベンションセンターにて、最高のイベントと名高いフロントエンド・PHPカンファレンス北海道2026 に参加してきました。ということで、参加レポートを書いていきます。
ついさっき、PRTIMESさんのブースでいただいたノベルティの入浴剤を放り込んだ風呂の中で「どんなレポート書こうかな」と思案してたら、書きたい内容が良い感じにまとまりました。いくぞ。
特に興味深かったセッション
フロントエンドとバックエンドで「1文字」を揃えよう
てきめんさんのセッションです。 文字コードの仕様を正しく理解し、フロントエンドとバックエンドで文字の種類や文字数を合わせて使えるようになろう、という内容でした。
たまにTwitterで見かけるḵ̶̼͑͛̑́̌͊̎̏̀̒̔͠o̷̢̭̱̬̰̱̫̬̙̪͐̽̀̀̈́͒́̕͝ͅn̵̦͓̹̒̇̽̐́̓̆̂͋̿͌̇̋͘̕n̶̛͇̾͊̔̋͂͂̓͗͋̒̉̚̚̚͝ȃ̴̱͖̪̤͙̙͕͚̟̝̥͔̠̈́͂͋k̴̡͚͔͙͕̗̥͈̪̣̻̼͙̦̱̾͜ͅä̴̖͖̭͚̦̠́̐n̸̛̘̭͈͚̪̈́̈́͛͗̾̂̈́̓͘͠ĵ̷̣̠̞̘̪̾i̸̧̩̲̩̹̱̔́̈̐͑͒̍̀̆͑̈͘̚n̷̛̛̟̩̯͊̄̄͗̑̍͐͛́͜ö̴̳̠̘͚͈̬͓̒́ͅm̶̛̮̥͒̓̑̐͒̐́̔͐̑͜ơ̵̥̥̗̝̽͂̇̀̈̓͊͝͠͠ͅj̶̡̬̹͍͕̟͔̤̱̃͌͆̐̑̽̔͊͌̅͌͜͝ͅi̶̖̹̪̙̥͎̙̇͆́͗͆̉ŗ̸̡̺͖̤̫̖͔̗̝͍̘̹̥̘̌̿̒͑͊̄̂͗͠ĕ̶̩̙̜̰̘̯̞͖̻̩̫̞̲̲͓̅̈́̾͑̕͜t̵̹͚̩͇̜͙͊̃̎̀̐͆͊̋̚̚s̵̨̩̮̯͉͍̼͓͇͎̬̅̂̂̀̀͐͊̀̇̏̌̕u̵̬̝̥͂̒みたいなテキストって、「Zalgo Text」って名前だったんですね。
説明が必要なUIは、もう負けている
タイヨウさんのセッションです。 ユーザーの課題解決のために様々なアプリケーションを作ったが、色んな人に使い方を教えていくコストが存外高い。それに、「使い方を聞かないと操作できないアプリ」は、習熟に時間がかかる。 ということで、アプリのUIは原則として「UIを見ただけで使い方がわかる」ように設計しなければならない。という内容でした。
アプリを作っているエンジニア本人は、設計/実装する過程で生まれたコンテキストを自分の中に持っているから、どうしても「使い方なんて見たらわかるだろ」って思いがちです。その考えを気合で捨てるべきだなと思いました。
あえてPHPでリアルタイム通信をやってみる
みやもとなおゆきさんのセッションです。 「リアルタイム通信はあまり得意じゃない」と言われているPHPで、あえてリアルタイム通信の実装に挑戦し、「なぜ得意じゃないのか」「実際の通信速度はどうか」を考察するという内容でした。 「仮説を立てる」→「検証(実装)する」→「実験する」→「評価する」というプロセスを丁寧に踏んでおり、またその内容を具体的に話していました。そのため、内容そのものが興味深いことに加え、正しい「仮説と検証」のやり方を学べる、素晴らしいセッションでした。
ヘッドレスリッチテキストエディター Tiptap によるエディター開発の裏側
miyabinさんのセッションです。 Tiptapを用いてエディターを開発する手法と、そのコツについて紹介されていました。 Tiptapには、エディターを実装するために必要な機能が一通り搭載されています。そこに後付けで自由にUIを構築することで、いい感じのエディターを作れるそうです。 私はこのTiptap、というかヘッドレスリッチテキストエディターという概念すら認識していなかったので、良い学びを得られました。
私もこれを悪用活用して、なんか尖ったUIのエディターとか作りたいですね。
「おすすめ」 はなぜ信用されないのか 〜 信頼を築くUI/UX設計 〜
ryuさんのセッションです。 現在、様々なアプリやサービスに「あなたへのおすすめ」を表示する機能が搭載されています。大抵の場合、これは単純にありがたい機能なのですが、ユーザーへの見せ方が良くないと嫌われる、という内容でした。
ユーザーに嫌われない「おすすめ」の出し方をするために考慮すべきなのは、ざっくり以下の2点だそうです。
- 例えばユーザーの閲覧履歴をもとに「おすすめ」を決めているのであれば、それについてちゃんと表記する(透明性)
- 「おすすめ」が自分に適していないものだったら、「興味ない」ボタンなどで簡単にフィードバックできるようにする(制御権)
私は普段あまりこういった「おすすめ」機能のあるアプリを実装する機会はないのですが、その時に備えて、自分が普段使っているアプリのおすすめ機能も注視してみようかと思いました。
ところで、Suumoの部屋検索機能で、例えば家賃を10万円にして検索すると、「上限をあと5000円上げると、検索結果がn件増えるよ」みたいなメッセージが表示されるらしい。 検索条件にまで「あなたにおすすめ」があるんですね。
ドメイン駆動設計、結局どう始めれば良い?実践者に学ぶDDDのリアル
モデレーター:瀧川 啓紀さん、パネリスト:竹澤 有貴さんと成瀬 允宣さんによる、ドメイン駆動設計の始め方についてのパネルディスカッションです。 「ドメイン駆動設計って言葉はよく聞くけど、結局どうやったら良いかわかってない」人が多いということで、その疑問に答えるような内容になっていました。 結局のところ、「いいからまずヒアリングでも業務視察でも何でもして業務を理解しろ。自分がドメインエキスパートになれ」ということだそうです。地道にやるしかないですね。
余談ですが、パネリストのお二方の意見が割と一致していることが多く、「先に言ったもん勝ち」みたいな空気になってたのが面白かったです。
懇親会
懇親会の会場はジンギスカン 羊々亭 札幌本店というお店でした。ジンギスカンにがっつきました。これぞ北海道。ジンギスカンなんて一年中食っても良いですからね。
そういえば、懇親会の時に同席した黒ヰ樹さんが、イベントの参加レポートで私のことを紹介してくださいました。大ボリュームで読み応えのあるレポートになっていますので、こちらもぜひお読みください。
あとオールナイトニッポンに並ぶ名ラジオであるゆるふわPodcastの@mktakuyaさんにも久々にお会いできたので大満足です。
自分の登壇について
あえて今、ブラウザ上でMIDIファイルを再生したいというタイトルでLTをやってきました。
ところでこれは登壇者特典のTシャツです。これを着ればいつでもどこでもフロントエンド・PHPカンファレンス北海道ができるぞ!
実は人生初のプロポーザル採択
ここ数年は、割と頻繁に小~中規模ぐらいの勉強会でLTをやらせてもらったりしてたんですが、実は「カンファレンスでプロポーザルが採択される」というのは今回が初めてでした。 なので採択のお知らせが来た時は嬉しすぎて倒立前転しそうになりました。いや、よく考えたらそんな高難度の技できなかったわ。
なんでこのテーマにしたの
一番の理由は、私がインターネット老人会ネタ、というか昔の個人サイト文化が好きだからです。隙あらばそういう話をねじ込もうとするクセがあります。 北海道民は隙あらば北海道の話をするそうですが、私はそれに加えてインターネット老人会の話をしたがる気がします。 何なら技術書典でこんな本を出したりしています。
ということで、なんか昔の個人サイト絡みのネタで良いものが無いかとあれこれ思案した結果、「MIDIでも鳴らすか…」という結論に達しました。
「競うな 持ち味をイカせッッ」
名作漫画『刃牙』の大擂台賽編で、範馬勇次郎はビスケット・オリバに向かって「競うな 持ち味をイカせッッ」と檄を飛ばすシーンがあります。 この言葉、私にとっては本当に重要で、特に最近はかなりの生命線になっています。
別に、万人受けするようなテーマで話したくないということは全くありません。気分次第でそういう話をすることもありますし、何なら業務の新人研修などでする話は9割以上まともです。多分。 ただ、万人受けしそうな話をする方針でプロポーザルを書くと、日本中にいる凄い人たちの出す、レベルの高いプロポーザルと競い合うことになります。それは私の実力では分が悪い。
一方で、競合の少ないニッチな領域を突き詰めるプロポーザルを書き、それがカンファレンスの求める空気感にうまいことマッチすれば、採択される可能性があるんじゃないか、と思っています。
この令和の時代に、わざわざ2000年代のインターネット文化を擦り続ける人はそう多くありません。いや、いるにはいるんですが、「そういうテーマで登壇してやろう」と考える人はきっとごく少数。 こういう「わずかに需要があるかもしれない領域」を掘り下げていけば、いずれ自分の持ち味のようなものが見えてくるんじゃないかと思っています。
(※色々それらしい御託を並べていますが、結局のところ、私は尖った内容の話をしたり聞いたりするのが好きなだけです)
トリ
ある日タイムテーブルが公開され、「自分のLTはどこかな」と探してみたら、クロージングの直前、つまりトリであることが判明しました。 自分の登壇内容は、先述の通り決してメインカルチャーではなく色物寄りの内容であることは自覚していたので、まさかトリを飾ることになるとは思っていませんでした。
ITエンジニアに、すぐ祈りを捧げる習性があることは広く知られています。御多分に洩れず、私も「最後の最後で盛大にスベり散らかして微妙な空気になるのだけは回避させてくれ」と祈りを捧げていました。
とはいえ、もちろん祈るだけじゃなく、MIDI特集が載ってるような90年代のPC雑誌などの文献をあたったりして、ちょっとでも深みのあるコンテンツにできないかなぁとあれこれ試行錯誤はしてました。
結果どうだったか
LTはどうにか無事に終わりました。ちゃんとMIDIも鳴りました。 感想のツイートも好意的なものばかりでホッとしています。 Claudeに耳が無ければ今頃どうなっていたことか。
おわりに
今後も色んなカンファレンスに行くぞ!! あわよくば登壇もするぞ!!